よく口臭の原因の1つは臭い玉と聞きますが、臭い玉とは何なのでしょうか?
臭い玉の正式名称は膿栓と呼ばれるもので、喉の奥にできる白い米粒ぐらいの大きさのものです。できる場所は、喉の奥の方にある扁桃(以前は扁桃腺と呼んでいた)にできます。しかも扁桃は4つあり場所によって咽頭扁桃、耳管扁桃 、口蓋扁桃、舌扁桃と名前があります。ちなみに風邪で扁桃腺が・・・と言っているのは口蓋扁桃です。
扁桃には陰窩(いんか)と呼ばれる穴がいくつもあります。扁桃は細菌やウィルスが体内へ入らないように粘液を分泌して捉え、免疫機能によって菌やウィルスを防御してくれます。そして死んだ白血球や食べカス、死んだ細菌が粘液と共にこの穴へ入り込み固まったものが臭い玉なのです。
普通は固くなる前に唾液を飲み込んだり飲食することで胃の方へ流れていくのですが、そうならずに扁桃の穴に留まるものがいます。それが私たちが見かける臭い玉なのです。
また扁桃では免疫機能が働いているので、それが強ければ炎症を起こします。それが扁桃炎と呼ばれるもので風邪などで急に発生するものを急性扁桃炎と呼んでいます。
臭い玉の大きさは米粒くらいが一般的なのですが、中にはかなり大きくなるものもあるようです。それでこの臭い玉、口臭の原因になると聞くのですが、その仕組みはどうなっているのでしょうか?
上にも書いたように臭い玉には細菌がいます。しかも活動に必要な食べカスもあります。そうすると細菌が繁殖してしまい臭いガスを出すので口臭の原因になるというわけです。でも口臭は臭い玉ではないという人もいます。臭い玉が出たことがある人ならわかると思いますが、臭い玉はつぶさない限りはそんなに臭わないですよね。でも一旦つぶすとすごく臭いですが・・・
つまり臭い玉はつぶさなければそんなに臭くないのに口臭の原因となるのか?ということです。それで原因となっているのは臭い玉ではなく、扁桃から分泌される粘液なのでは?と言われています。臭い玉にも粘液にも細菌や免疫機能による死骸などが含まれています。食べカスもあるので細菌が活発に活動して口臭の元になっている臭いガスを発生させますよね。
でも臭い玉の方は表面が固くなって内部から漏れ出ないような感じになっています。それに比べて粘液は液体で表面から臭いの成分はどんどん出てきます。だから口臭の原因は臭い玉ではなく扁桃の粘液なのでは?と言われているのです。ネットでは免疫作用後の粘液を膿汁と呼んでおり、口臭治療で有名なほんだ歯科では免疫副産物と呼んで、喉の奥からの口臭の原因として位置付けています。しかもほんだ歯科によればこの粘液は白から茶褐色に変わるようです。繰り返しになりますが、これが固くなったものが臭い玉なのです。
私意見ですが、どちらも原因になっているのでは?と思います。だってどちらも臭いですから。臭い玉も固くなったら中身を出さないとそこまで臭わないと言っても、固まるまでは粘液と同じように臭いを発生させているはずですから。さらに臭い玉があるということは細菌もいるということなので粘液がさらに出てくるようです。それで注意すべきはやっぱり粘液の方なのでは?というところは私も同意見です。
扁桃が臭いかどうかは扁桃を指又は綿棒で軽くさわってその臭いを嗅げばわかります。ただし扁桃の粘液は元々が臭いので強烈でなかったらり、喉の奥に不快な匂いを感じなかったらこんなものなのかな?程度で良いと思います。気になるならケアの方法を後術しますので参考にしてください。
口臭の原因で注意するのは臭い玉よりもそれができる過程で作られる粘液が変化した膿汁に注意を払うべきということはわかりましたか?でもこの膿汁がどうやって口臭に絡んでくるのでしょうね。
実はこの膿汁も臭い玉と同じように通常は胃の方へ飲まれていきます。なので何か不具合がない限りは口臭とは関係がありません。もし膿汁が原因で口臭がするのなら何らかのトラブルが喉の方で起こっているということになります。それが乾燥。
まず扁桃ですが、冒頭でも書いたように4つあるので、粘液はどの扁桃でも分泌されています。しかも扁桃は乾燥に敏感なので口呼吸や緊張などで乾燥していると余計に粘液が分泌されます。そうなれば口臭の原因にもなっている膿汁がたくさん出ることになりますよね。特に舌扁桃は喉との境界部分にあるので喉の奥が気持ち悪く何か臭う時がありませんか?
そんなときはこの膿汁がのどに溜まっているときで、臭い匂いも溜まっています。しかも乾燥しているので唾液による自浄作用もありません。こんな時に人前で口を開けると充満していた臭い匂いが一気に放出され口臭となるわけです。
また私たちが扁桃腺と呼んでいる口蓋扁桃も何らかのトラブルで膿汁が喉に溜まったり口の方へくる場合があります。そんなときも上記のような事が起こり、口臭がするようになります。さらに粘液が口の方に来ると舌苔の原因の1つにもなります。
これを解消するのに良い方法がうがいと緊張をほぐして唾液を出すようにすることなのです。うがいをするとスッキリしますし舌を動かせば唾液は出てきます。すると唾液の自浄作用で口の中がスッキリして口臭もなくなります。口臭がなくならないのは、これができないためだと思われます。
唾液を舌を動かすことによって分泌を促させるということは、結構きついんですよね。一時的には良くてもそれをずっと維持するのは非常に骨が折れることです。そのためにも日頃から舌を動かして唾液を出す練習をしておくことは大切だと思いますよ。特に口臭に悩んでいるなら、尚更です。
したがって膿汁による口臭の場合、対策はうがいと唾液を分泌させること。そして予防は扁桃から粘液が出るのを防ぐことなので、口の中が乾燥しないようにすること、できるだけ細菌や埃などが入ってこないようにすることです。そのためにも口呼吸や緊張は出来るだけしないようにするべきです。
ただ口呼吸をしなければ口の中は乾燥しないと勘違いしている人もいます。口呼吸はしなくても乾燥はしますし、緊張などで喉の奥が狭くなっていれば膿汁が溜まって口の中が臭い匂いで充満したりもするので、安心はできません。上で述べたように唾液を出すようにして、息が臭くならないようにしましょう。
【まとめ】
臭い玉とは扁桃から出てくる粘液が扁桃の穴に入りそれが固まったものです。扁桃では外部から入ってきた細菌やウィルスなどに対して免疫作用が起こるので粘液には細菌の死骸や細菌、白血球の死骸などが含まれているので臭くなってきます。それをネットなどでは膿汁と呼んでいるのですが、喉からの口臭の原因は臭い玉ではなくこの膿汁が原因と言われています。
膿汁を防ぐには扁桃を含め口の中が乾燥しないようにすることです。それには口呼吸の改善と緊張しないようにすることですが、緊張しないなんて人である限り無理ですよね。そんな時は舌を動かして唾液を出し、唾液の自浄作用によって臭いを防ぐことです。
またうがいすることで一時的ですが臭いがとれます。喉に違和感が・・・と思ったらうがいをお勧めします。臭い玉を取るのにもうがいはある程度は有効らしいですから。ただ、別のページに詳しく書いてますが、臭い玉の除去は自分でするよりも耳鼻咽喉科へ行ってしてもらう方が安全で確実です。扁桃はデリケートなので少しのことでも傷ついてしまいトラブルになりますから。