唾液には違いがあるのか?分泌量の有無が口臭予防になる?

唾液

唾液に違いがあるって知ってました?
同じように感じる唾液ですが性状や成分、働きまでちがうようです。

唾液のイメージとしては汚く、色は透明から白っぽいというのが大方でしょうか。また働きについては、多くの人がきちんと説明できないと思います。学校で習うのが唾液には消化酵素アミラーゼが含まれているから、その働きによって糖類が麦芽糖にまで分解されるということですよね。ここまでなら知っている人は多いと思います。

でも唾液に種類があることや上記以外の働きについてはどうでしょうか?
口臭にも関係することなので、詳しくみていきましょう。

まず唾液は唾液腺という口の中にあるものから出てきます。種類としては組織として大きく分泌量が多い唾液腺を大唾液腺と言い、数は多いが小さく分泌量も少ない小唾液腺があります。大唾液腺には耳下腺顎下腺舌下腺という三大唾液腺があって小唾液腺には主に口唇腺頬腺口蓋腺臼歯腺舌腺というものがあります。

唾液は一日に約1ℓ前後が分泌されていて、その95%ほどが大唾液腺からのものです。
中でも大きい耳下腺からの分泌量が多いようです。出てくる場所は違いますが、これらから出てくるのは全て唾液ですよね。でも性状や働きによって大きく2つの違いがあります。

性状はサラサラした唾液とネバネバした唾液があります。
前者を漿液性(しょうえきせい)唾液、後者を粘液性唾液と呼ぶようです。余談になりますが漿液とはサラサラした分泌液の総称という意味があります。2つの唾液は主成分は水分ですが
性状が違うので含まれている水分以外の成分に違いがあり、それで働きにも違いがあります。

サラサラした唾液は水分が多く、酵素なども含まれています。一方、ネバネバした唾液は水分が減りムチンという成分が含まれているのです。このムチンは納豆、オクラ、ナメコに含まれているネバネバ成分で、唾液がネバネバするのはこのムチンのせいなのです。ちなみに上に挙げた野菜に含まれるムチンですが、学術的には間違いと言われているようです。というのも植物由来のムチンはまだ発見されていないようですから。

唾液の働きは口の中を湿らせて滑りやすくし内面を保護したり、食べ物を奥の方へ送る手助けをしたり、味覚に役立っています。
もし唾液がなかったら食べ物を飲み込むのが困難になるし口の中が乾燥するので傷つきやすくなり、常時ヒリヒリと痛みを感じるようになります。また味もしないので食べものが美味しくありません。

とりわけ口臭に関係する唾液の働きは、口の中の洗浄作用、歯の再石灰化、pHを一定に保つことです。洗浄作用は食べカスなどが残らないように口の中を洗浄することです。また殺菌作用もあるので虫歯菌を繁殖しにくくしています。

唾液には上であげた成分の他にカルシウムやミネラルが含まれているので、これによって歯が再石灰化されます。さらに食後は虫歯菌が活動するため酸性になるのですが、唾液中のイオンには緩衝作用をするものが含まれているので、しばらくすると中性になり虫歯にならないようにしてくれるのです。

この口臭の原因にもなる虫歯など細菌が繁殖しないようにする働きがあるのはサラサラした唾液なのです。つまりこのサラサラ唾液を多く出す、分泌をできるだけ減らさないということが口臭の対策や予防になるわけです。

たしかに食事中に食べ物以外の口臭がする人ってそうはいないですよね。少なくとも私にはそんな経験はありません。普段口臭がしている人も食事になればその臭いはなくなっているか少なくなっています。これは食事しているときは唾液の分泌が多くなるからです。

口臭を防ぐにはサラサラ唾液をより多く分泌させることが必要ですが、この唾液は副交感神経が優位にあるときに多く分泌されます。副交感神経が優位にある時はリラックスしているときなので、深呼吸や背伸び、気分転換などでそうすることができまます。

また舌を動かすことで唾液の分泌を促すのでよく言われる「あいうべ体操」など舌の体操は唾液を分泌させるのに良いです。これはテレビでやってたのですが、舌を出して唇に沿って回すことでも良いそうです。左周り右回りそれぞれ12回転づつすれば十分だそうです。

また唾液腺マッサージというものがあり、これをすることで唾液の分泌を促します。ベロを出して色々するよりもこちらなら人前でも十分できますよ。

顎下腺のマッサージは実は滑舌をよくする時も効果的なんです。プレゼンなど何か発表やスピーチの時は事前にやっておくと良いです。これで私は何度も救われてますから。

ただ耳下腺はサラサラ唾液、顎下腺はサラサラとネバネバ唾液の混合、舌下腺はネバネバ唾液なので私的には口臭予防なら耳下腺のマッサージを最後にします。だって口臭予防にはサラサラ唾液ですから。もしくは唾液マッサージの後に、水分を摂りますね。

また唾液の分泌が減って口の中が乾燥するドライマウスという病気があります。これで悩んでいる方も結構いるのですが、病院へ行った方が解決は早いと思います。薬には唾液の分泌を促すものもあるようなので、医師に相談すれば処方してくれるそうです。この辺は薬が絡んできますので医師への相談と了承が絶対に不可欠です。

自分勝手にするととんでもないことになる恐れがありますから。薬は摂取しすぎても自分にあわないものを摂取しても体に異常が出ます。この辺は十分に注意して下さいね。

【まとめ】

唾液には性状、働きから違いがあり2種類に分けられます。1つはサラサラしている唾液で漿液性唾液と呼ばれ、口の中を清潔にし細菌が繁殖しないようにすることが主な働きです。それで口臭はこの唾液に大きく関係しています。もう1つはネバネバしている唾液で粘液性唾液と呼ばれています。こちらは主に消化することに関係しているそうです。

自律神経は副交感神経、交感神経からなるのですが、サラサラ唾液は副交感神経が優位にあるリラックスしているときにより分泌されます。ただリラックスといってもすぐにそうすることは難しいですよね。家にいるならまだしも、出先など仕事中などでは難しいです。

そんな時には舌の体操や唾液腺マッサージなどで唾液の分泌を促すことができます。口臭が気になっている方は、意識すると良いと思います。

口の中が乾燥している状態から唾液で満たされている状態になると、ホント不快感が全く違いますから。私は最初、本当に唾液で口臭が?と思ってましたが、今では唾液の力には感服しています。
口臭の予防や対策には唾液の力は絶対に不可欠です。あなたもサラサラ唾液をもっと出して口の中をスッキリさせましょう。

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